BMW 1.5リッター直列3気筒エンジン「B38（ガソリン）」 – BMWエンジンガイド

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燃費性能、環境性能だけでなくスポーティなエンジン

製造効率向上のため自動車メーカーは、プラットフォーム共有化やモジュール化（機能のブロック化。機能ごとに共有可能にすること）に取り組んでいる昨今。BMWもとうとうモジュール化に乗りだしました。その結果ともいえるエンジンが、新世代3気筒エンジン「B38」シリーズです。こちらは1気筒あたり500ccを基本設計に、1.5リッター3気筒エンジンを「B38」、2.0リッター4気筒エンジンを「B48」シリーズで構成されています。エンジンの縦置き、横置きに両対応しているのもモジュラーエンジンとしての特徴です。ちなみにエンジン型式は縦置きが『B38B15A』、横置きは『B38A15A』となっています。

2015年11月現在、1シリーズと2シリーズに搭載されていますが、搭載レイアウトに関わらず、エンジンスペックは同一です。ダウンサイジング指向の3気筒エンジンらしく、ターボによる過給を基本とした直噴エンジンとなっていて、そのほか、無段階可変バルブ・コントロール・システム「バルブトロニック」、吸排気のバリアブル・バルブタイミング可変機構「ダブルVANOS」といったBMWの特徴的な革新技術が組み込まれています。燃費性能、環境性能だけでなく、3気筒エンジンならではの軽やかな吹け上がりや自然なレスポンスを活かしたスポーティなエンジンに仕上がっています。

*システム全体をモジュールに分解し、それぞれの接合部分についてのルールを公開することでモジュールを独立して設計、運営できるようにすること。

搭載モデル

着実に広がりを見せているBMWの3気筒ターボ

1シリーズのマイナーチェンジにより搭載された3気筒ガソリン直噴ターボは、1.6リッター4気筒エンジンからの置換となり、より幅広い領域で最大トルクを発生する特性が、市街地でのキビキビとした走りを期待させます。もちろん、燃費性能も向上していて、過給エンジンでは気になる環境性能についても、「平成17年排出ガス基準75%低減レベル（★★★★低排出ガス車）」を達成するなど最高レベルとなっています。

前述のとおり、気筒あたり排気量を約500ccで設計し、必要なパワーを気筒数の増減によってコントロールするという思想から生まれたもので、エンジン横置きの2シリーズ・グラン ツアラーでは、218iグラン ツアラーが1.5リッター直列3気筒を搭載、220iグラン ツアラーが4気筒版となる2.0リッターエンジンを積んでいます。アクティブツアラーでは、3気筒を積むグレード名が218i、4気筒は225iとなりますが、これはハイパワー版の『B48A20B』を積むためです。

なお、1シリーズの場合は118iが、この3気筒ターボを積むのに対して、120iが搭載するのは従来からの『N13B16A』型（参照記事：「BMW 2.0リッター直列4気筒エンジン（B48） – BMWエンジンガイド」）の1.6リッターエンジンとなるので注意が必要です。また2015年10月に新型へとフルモデルチェンジしたX1もベーシックグレードに、この3気筒ターボを搭載していて、着実に広がりをみせています。

スペックと搭載モデル一覧